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聞こえなくなった日

体験記

突然、耳に水が入ってきたように

当時の私は30代の係長レベルの営業マンでした。

仕事は月に数回の出張を伴うもので、東海圏から九州・沖縄までを担当するチームのリーダーをしており、業績もゆっくりながらも成長し続けていました。

ある日、東京本社の広報部門と電話で打ち合わせをしている時、その瞬間がやってきました。

昼の12時過ぎ、聞き耳であった左耳に受話器をあて、右手でメモを取る。おきまりの仕事スタイルで打ち合わせを進めます。

当時、当社では光回線を電話に導入したばかりで、大幅なコスト削減に貢献している中、ときどき音声が聞き取りにくくなるトラブルがありました。

話し声がかき消えるくらいのおおきな

ごぼごぼごぼ・・・

という音のあと、逆に相手の声がとても小さくなっていることに気づきました。

「あの、電話が遠いようですが。また回線トラブルですかね?」

といって、反対の耳に受話器を持ち替えました。

「普通にきこえる・・・」

何が起こったのかわからず、そのまま聞き耳でない右耳で会話を終え、受話器を置きました。

そして、左耳に妙な閉塞感。

小指で耳の穴を触っても、痛みも何もありません。

めまいも、頭痛もなく。

ただ、すこし耳鳴りがすることにだけは気づきました。

「なんか、聞こえづらくなっているようだけど、歯痛みたいに数日すれば治るだろう。今日は早く寝よう。」

そんなことを考えていたことを思い出します。

聴神経腫瘍による聴力の低下は、私と同じように電話がきっかけとなる方が多いそうです。

あなたもそうでしょうか?

とにかくこの日は何も治療せず、まっすぐうちに帰ったことを覚えています。

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