ガンマナイフの効果を確認
ガンマナイフ手術から3ヶ月を過ぎ、術後の状態を確認するためMRIの撮影をしました。
すでにこの時は、突発性難聴と診断されたクリニックから聴神経腫瘍を見つけてくださった先生の通う名古屋大学病院へかかりつけを変えていました。
もちろん、担当医は聴神経腫瘍を見つけていただいた先生です。
MRI写真を見て先生は
「小さくなっている、このまま行けば問題ない。ただ、このあと大きくなる症例もあるので、しばらくは油断禁物です。」
「その、聴力もいくらかは改善しますか?」
「いや、すでに焼きとった以上、これから良くなることはありません、残念ですが。」
「そうですか・・・」
大好きな音楽と心の別れ
小学生のころから放送委員や放送部を渡り歩き、いつでもどこでも音楽のある生活をしていました。
昭和後期、流行したウォークマンという携帯型ラジカセをご存知でしょうか?アルバイトして手に入れたウォークマンを片時も離さず、常に単3電池の予備をカバンに入れているほどの音楽好きで、楽器もかじってみたり、カラオケに入り浸ったりと、音楽のない生活など考えられませんでした。
車でも音楽が聞こえるようにとスピーカーをつけたりデッキを変えるなどしているうちに、車の電装系改造もできるほどになっています。
そんな私の片耳が、24時間セミの大合唱。
いつかは治ると思い込んでいた私に、先生から告げられた事実は「良くなることはありません。」
もう、ステレオで聴くことはできないし、レフトに振られた音を右耳で判別するのは困難です。
でも、基本は能天気。
モノラルしかなかった時代に生まれていたら、みんなおんなじ。
両耳聞こえない人にも失礼だ。
でも、今までのハイクオリティな音楽の世界に未練を残さないように、自分の中でお別れをしたのだと言いきかせました。
ガンマナイフ手術の副作用と転勤
患者の負担がほぼないガンマナイフ手術にも、副作用がある場合があります。
まず、焼いているため、一時的に腫れ上がる、つまり大きくなる場合があるそうです。
私の場合はほとんどなく、そのまま縮小方向で進行していきました。
その他としては、顔面神経痛やめまいなどが代表例として上がるそうですが、私はどちらもありませんでした。
ただただ、不幸中の幸いだったといえます。
また、まれにガンマナイフを照射した周辺に浮腫と呼ばれる腫瘍が出ることもあるようですが、これこそ点滴や服薬で治療できるそうです。
今回、術後3ヶ月の検査を受けたわけですが、突然また転勤の命令が出ました。
関西に戻れとのことです。
名古屋大学病院へ転勤を話し、今までのMRI写真と画像データ、そして紹介状をいただき、生まれ故郷へ戻ることとなりました。